先日虫歯のリスクを下げるための治療を完了し、
メンテナンスに移行した患者さんが、
『虫歯の治療ってこんなに大変なんですねー』
と、おっしゃっていました。
私たちも気がつけば、
治療を開始して3、4ヶ月くらい
経過していることもざらにあるため、
新鮮な意見を頂戴し、今回ブログのテーマとさせていただきました。
今日はなかとみ歯科医院から、
虫歯の治療に関して知識を深めていただければと思います。
『虫歯を治す』といわれたら治療にはどのくらい時間がかかると思いますか?
浅い虫歯なら削って詰めて一回で終わり、少し深い場合は削って型取り被せ物をして…というように数回の治療、さらに深い時は神経を取って根っこの治療をして型取りして被せ物をする…この場合は回数は多くなりますが大抵の場合1年、2年という単位の期間かかるものではありません(もちろん例外もありますが…)
と虫歯治療のイメージはこんな感じではないでしょうか。
しかし今「虫歯」の考え方は変わりました。
それは「虫歯」は「慢性疾患」であるという考え方です。
慢性疾患には高血圧や糖尿病、高脂血症などが挙げられます。
ゆっくりと症状が進行し、治療や管理が長期間にわたる疾患のことを指します。
虫歯が慢性疾患なら当然治療にも長い時間がかかることになります。
「虫歯」はポンと出来てそこを治療すればお終い!と思っている方が多いと思います。
これは日本で歯医者にかかったことのある方なら、そんな治療を受けたことがあるかもしれません。
実はそうではありません。
まずは虫歯がどんな病気なのか、というお話から始めたいと思います。
虫歯ってどんな病気?
「なぜ虫歯になるの?」のページでもメカニズムについて説明していますのでここでは簡潔に。
虫歯は、口の中の細菌が出す酸によって歯が溶かされてしまう病気です。
口の中にいる細菌は、糖分をエサとして酸をつくります。
酸が増えると、口の中が酸性になり歯が溶けます。
これを防ぐために、口の中では唾液がたくさん出ます。
唾液には緩衝能と呼ばれる、酸性になった口の中を中性に戻してくれる作用があるので、
虫歯から歯を守ってくれます。
細菌の酸が唾液の作用よりも上回ってしまうと歯が溶けて虫歯になってしまいます。
虫歯になりやすい環境
*みがき残しが多い
*ジュースを飲む回数や間食の回数が多い
*唾液の量が少ない
などが大きな原因として挙げられます。これらの原因が複雑に重なって虫歯はできます。
当てはまるものが多い、また一つの項目でも、強くその傾向がある人は、虫歯になりやすいといえます。
虫歯はポンと突然出来るのではなく出来るべくしてできているのです。
虫歯を1カ所なおしても口の中の環境が変わらない限り、次々と新たな虫歯ができ、「虫歯を治した」とは言えないということです!
*つまり虫歯の治療とは虫歯になりにくい口腔内環境を作り、それを維持することとなります。
どんな治療をするの?
口の中の清掃状態の改善
みがき残しは歯の表面で白いネバネバしたプラークと呼ばれる塊になります。
歯科医院ではこれを取り除くための歯磨き指導を行います。
汚れに色をつけてどこにみがき残しがあるかをチェックする染め出しを行ったり、
フロスや歯間ブラシの使い方、歯ブラシの当て方やみがき方を説明します。
食生活の改善
まず、普段何時ごろご飯を食べているか、
間食は何回するか、
ジュースをよく飲むかなど日頃の食生活についてチェックします。
そこから、改善すべき点を歯科医師や歯科衛生士がピックアップして、実行してもらいます。
唾液量を増やす
まず唾液が少なくなるのには加齢や、多剤服用、ストレスなど様々な原因があります。
そういっ た原因があるとなかなか唾液量を戻すのが難しいですが、
舌を使った運動、噛む回数を増やす…など唾液腺を刺激する方法をアドバイスします。
それらの治療で、ある程度口の中の環境が改善してきたら、
定期検診をうけてこの状態が維持できているかチェックします。
虫歯の治療は、自分自身でのお口の管理と歯科医院での定期的なチェックを欠かさず行うことです。
虫歯の治療とは短期的なものではなく、長く続くものなのです。
虫歯はずっと付き合っていかなければならない病気なんだ!
という意識を持って、自分自身の口の中の環境をいま一度見直してみるといいかもしれません。
いかがでしたか?
今回は噛み砕いてわかりやすく書いたつもりですが、それでも難しいし理解しづらいものなんですよね。
まとめとして、
虫歯になるのは何か原因があって、
それを歯医者さんで見つけて改善していけるかどうか
メンテナンスで確認していきましょう!
というところです。
メンテナンスの度に少しづつ虫歯への防御力を高めてもらえるよう私どもも努めますので、
歯で困らないよう一緒に頑張りましょう!!